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日 時 |
『なみだふるはな』 石牟礼道子 藤原新也、『番犬は庭を守る』 岩井俊二 著
あれからもう長い時が経つ。
自身も患者であると同時に運動の闘士であり指導者だった川本輝男氏と会い、社会運動のあり方について語り合った日から随分月日が経った。
あの時、私は彼の言うことに全面的に共感できなかった。私にとって「水俣」は悲劇であっても所詮特異点であり、普遍的な問題として捉えることは出来なかった。何という想像力のなさであり、何という愚かさであったろう。もしあちら側の世界で彼に会うことがあれば素直に謝りたい。
そして40年。私の身の上にも、そして私がその中で過ごしたこの国、こ...
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2012/04/15 20:21 |
『絶望の国の幸福な若者たち』 古市憲寿 著
昨夕、旧友から電話があり、吉本隆明が死んだことを知らされた。
あとで新聞の夕刊で読むと87歳だったらしい。一度海で溺れて死にかけたことがあり、それ以来あまり体調は良くなかったようだが、晩年の太鼓持ちだった糸井重里に担ぎ出されて講演会を開いたり、状況に対する発言は続けていたようだ。
但し、オウム真理教の麻原彰晃を宗教家として認めて擁護したり、最近では原発推進ともとれる発言をしたりと、この「リトルピープルの時代」をうまく捕らえきれず、思想家としては完全に終わった姿をさらけ出していたと...
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2012/03/17 16:20 |
『ユダヤ人大虐殺の証人ヤン・カルスキ』 ヤニック・エネル著
前回紹介した、宇野常寛の『リトル・ピープル』を読んだ後では、私達が「大きな物語」について考えることは最早不可能であり、日常で起きる「小さな物語」について考える以外に途はないのかと思われました。
ですが、本作を読むとそれは誤った結論であり、文学はこれまでもそうであったように、常に新しい想像力のかたちを求めることによって新しい表現形式を生むことが出来て、結果としてその新しい表現形式に相応しい「物語」を考えていくことができるのではないかと思い直しました。
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2012/02/26 16:46 |
『リトル・ピープルの時代』 宇野常寛 著
面白い。というかこんなにこの時代をきちんと捉えた本を初めて読んだ気がする。非常に明晰で彼が言っていることは多分、正しい。
但し、『羊をめぐる冒険』以降の村上春樹作品に対して共感出来ず読むことを止めてしまい、アニメやゲーム、ヒーロー物にもまったく興味を抱けない私としてはその結論にどうしてもついていけない部分が残る。
でもまあ内容を簡単に紹介しておくと、序章「壁と卵をめぐって」で3・11の「大震災」と村上春樹のエレサレム賞受賞時のスピーチ「壁と卵」について語られ、現実が村上春樹の想像...
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2012/02/12 00:58 |
新年の手紙
新年の手紙(その一)
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2012/01/09 22:52 |
『恋する原発』 高橋源一郎
いやあ、面白かった!。このところ色々と面白くない出来事が続いていたので正直すっきりしました。
途中のスカトロ好きの社長の話と、ヨシコさんとさおりちゃんのロリコンセックス話はその手の趣味はない私には少々グロくて読み飛ばそうかなと思いましたが何とか我慢して読みました。
ま、いずれにせよ色んなモノを思いつく限りぶち込んだエロ・グロ・ナンセンスてんこもり小説です。
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2011/12/24 19:50 |
『日本を捨てた男たち』 水谷竹秀 著
前回の映画『サウダージ』ではタイ・パブにはまる三十代の男の姿が描かれていたが、本作ではフィリピン・クラブにはまった揚句に日本を捨ててフィリピンに行き、現地で「困窮邦人」になってしまった老若5人の男達が描かれている。
その中で最も印象的だったのが五章で描かれた星野政志(仮名)という人物だ。
彼は愛知県の私立高校を卒業後、半導体や自動車部品の製造会社大手に就職し、51歳で早期退職するまでの33年間をその会社で過ごす。
入社して1年後、三重県に転勤になり、その4年後に会社の同僚と結...
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2011/11/27 22:28 |
『サウダージ』 監督:富田克也
ずっと心身共におかしくなっていたので外出する気に到底なれなかったし、まして映画を観に行こうなどと言う気にもまったくなれなかった。
だが、前に新聞記事を読んで興味があったので、今日思い切って渋谷のユーロスペースまで出かけた。『トスカーナの贋作』以来だから実に9ヶ月ぶりである。
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2011/11/13 20:16 |
夢
Sが逝ってからずっと不眠が続く。半覚半醒の状態でずっとうつらうつらしていて、無数の夢を見る。Sに関係あるものもあればまったく関係ない夢もある。昨夜は関係ある方の夢だった。
どこか解らないが古い家屋の1階は何もない土間で、そこに押し入れから出してきた布団を敷いて私は寝ようとしていた。するとそこにその家の住人が帰ってきた。見覚えのない顔だった。
その彼が言うには「自分はこの世界の郵便配達員で、ここは郵便局なのです」と言う。わたしは周りを見回したが室内には机も何も置かれていなくて、まる...
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2011/10/29 18:25 |
弔辞
Sが逝った。長い付き合いだった。
初めて会ったのは中学2年の春。転校先の同じクラスに彼は居た。最初はそれほど親しくはなかったが彼が柔道部、私が剣道部で、同じ体育館で隣り合わせて練習していたし、剣道部の主将が彼の従兄弟で彼の家に下宿していたこともあってやがて親しくなった。
私は頻繁に名刹である彼の家に出入りするようになり、夕刻になると広い境内を賽銭集めを兼ねてよく一緒に散歩をし、多くのことを語り合った。家族のこと、友人のこと、そしてまだ漠然として形のはっきりとしないそれぞれの将来に...
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2011/10/15 18:48 |
『反哲学入門』木田元 『来るべき蜂起』不可視委員会
このところ本ブログを訪れてくれる人が増えていてとても嬉しいです。御礼を言います、ありがとうございます。
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2011/08/21 17:17 |
『13日間で「名文」をかけるようになる方法』高橋源一郎
高橋源一郎はあまり好きではなかった。と、いうよりむしろ嫌いだった。その理由は5回も結婚したというのが何としても許せない(笑)。
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2011/07/25 15:26 |
『哲学個人授業』 鷲田清一×永江朗
昔、南の島の王が「文明国」に招かれて人々の慌ただしい暮らしぶりを見て帰国し、「『文明国』には我々の知らない『仕事』というものがあり、何が楽しいのか全員が朝から晩までそれをやっている」と言ったとか言わなかったとか。
自らと家族の生活の糧を得る為とはいえ、このところ一ヶ月ばかり毎日16時間も労働していた私などはその王様からみれば不可解の極みか中毒患者に違いない。
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2011/06/26 13:42 |
永井荷風全集
GWに家人の知り合いの家の整理を手伝った。
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2011/05/22 12:52 |
『VOICE』 上原ひろみ
我が愛する上原ひろみの新作アルバム(と、言っても発売から一ヶ月も経っていますが)をようやく購入し、聴きました。
曲目と内容は本人に依れば以下の通りです。
Voice
目を閉じる。聞こえてくるのはたくさんのヴォイス。溢れ出す感情、感情は心の声。
Flashback
記憶の断片が交錯する瞬間。意識の深い所に眠る強烈なメモリー。今、呼び起こされる。
Now or Never
今やらなくて、いつやるの?行動あるのみ。
Temptation
その誘...
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2011/04/17 17:13 |
『鴎外の恋 舞姫エリスの真実』 六草いちか 著
憂鬱な日々が続いている。
あの地震で感じた本能的な恐怖感に肉体は正直に反応して、血圧は上昇し、眩暈やふらつきが起きる。
少し日にちが経ってそれが少し治まったかと思うと今度はどうしようない無力感に襲われ、まったく何もしたくなくなる。
とはいえ、気にならないわけではないのでテレビを点ける。するといつの間にかすっかりワイドショー化した報道番組が、原発の専門家と称する輩を担いで様々な情報を垂れ流しにしており、この国の政治家、官僚、マスコミと続く無節操さばかりが目立ってますます気が滅入...
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2011/03/28 00:22 |
『トスカーナの贋作』 監督:アッバス・キアロスタミ 主演:ジュリエット・ビノシュ、ウィリアム・シメル
昨日、渋谷のユーロスペースに『トスカーナの贋作』を観に行った。
2回目の一時間前にチケットを買ったのだが封切り日のせいか、それともこの監督の、あるいは主演女優の、はたまた両者の意外な組み合わせに対する期待からなのか整理券の番号は既に60番台後半で、入場直後には殆ど満席状態だった。
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2011/02/20 23:43 |
『海炭市叙景』 監督:熊切和嘉 原作:佐藤泰志
昨年末から観に行こうと思いながらずるずると引き延ばしていた映画、『海炭市叙景』を渋谷のユーロスペースに観に行った。
率直な感想としては、所々に映像として面白い場面があったり役者達のきらりと光る良い演技があるものの、何となくぴんとくるものがない。
石炭の時代は炭坑、そして鉄の時代には造船所という、戦後の高度成長と衰退と軌を一にした町で起こるいくつかのエピソード、それも馬鹿馬鹿しいほどありふれてつまらない日常生活と、そこで起きる小さなトラブルがいくつか丁寧に描かれている。
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2011/02/05 16:06 |
『Soul、Seoul 邯鄲の夢』
2009年6月、わたしはイ・ミヨンと彼女の故国である韓国ソウルへの旅をした。
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2011/01/15 17:15 |
『ゴダール・ソシアリズム』
医者からは安静を命じられている身であるが、以前から気になっていたので寒空の中重装備で日比谷シャンテに『ゴダール・ソシアリズム』を観に行った。
映画は3部構成で、第1章「こんな事ども」では、スペイン内戦の1936年頃に共和政府がコミンテルンに託して大量の黄金をバルセロナから出発させたがオデッサで3分の1ほどがなくなりモスクワで3分の1がなくなったという半世紀前の謎の事件に絡む人々を中心とした話である。
地中海を行く<ゴールデン・ウェブ>号船内での謎めいた人々の群像劇として描かれるの...
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2010/12/26 23:17 |